久保寺農園 Kubodera Farm

久保寺農園 Kubodera Farm 「人の力と少しの道具でできるシンプルな農業」をテーマにお野菜作りに?

神奈川県の西部、小田原市と二宮町に畑を持ち、「人の力と少しの道具でできるシンプルな農業」をテーマにお野菜作りに励んでいます。

年間50〜60種類のお野菜を育てており、季節毎の旬のお野菜を直接お客様にお届けしています。(詳細はWeb Pageにて)


http://www.kuboderafarm.com/

先日、富士山レーダードームで一枚の興味深い資料を目にしました。1884年(明治17年)6月1日、日本で初めて出された「第1号の全国天気予報」です。そこには、こう記されていました。「全国一般風ノ向キハ定マリナシ。天気ハ変リ易シ。但シ雨天勝チ。...
29/05/2026

先日、富士山レーダードームで一枚の興味深い資料を目にしました。1884年(明治17年)6月1日、日本で初めて出された「第1号の全国天気予報」です。

そこには、こう記されていました。

「全国一般風ノ向キハ定マリナシ。天気ハ変リ易シ。但シ雨天勝チ。」

現代語訳すると、

「全国的に風向きは定まっていない。天気は変わりやすい。ただし、雨が降りやすい傾向にある。」

という意味になるそうです。

現在の予報精度からすると、ずいぶんざっくりした予報に感じます。しかも対象は日本全国だったようです。

翻って、現代はどうでしょうか。

私たちの手元には、スマホ一つで1時間ごとの降水量や雨雲の動きを数分刻みで追える、神業のような技術があります。露地農業において、これほどありがたいことはありません。

肥料を撒くタイミング、根菜の収穫、定植や種まき――。そのすべてが、精密な予報という「科学の恩恵」の上に成り立っています。

明治の先人たちが、わずかな観測データと肌感覚だけで農作業を判断していた時代を思えば、今はまさに魔法のような時代です。

しかし、これほど科学が進歩してもなお、予報には「所により」や「降水確率」といった曖昧な表現が残り続けています。

「科学の敗北」とも捉えられるでしょうし、自然に対する「謙虚な姿勢」の現れとも捉えられますが、支配的に扱えるものではないということは明らかなように思います。

確かに、土壌の状態を数値化して管理しても、最終的にはその年の気温や雨の降り方一つで、作物の表情はガラリと変わります。

少し大げさかもしれませんが、哲学者・西田幾多郎の言葉を借りれば、自然とは理屈で割り切る前の「純粋経験」そのものであり、常に人間の計算を越えた「ゆらぎ」を含んでいるもののように思います。

現代の予報に残る「曖昧さ」は、人間が自然を完全に支配することなどできないという、最後の一線を守っているようにも見えてきます。
(いや、そんなに美しくまとめられるものでもないか(笑))

それはさておき、天気予報が外れたとき、私たちはつい「外れた記憶」ばかりを強く覚えてしまい、不満を漏らしがちです。しかし、140年前の「雨天勝ち」という一言から始まった日本の気象学が、今の精密さを手に入れるまでのプロセスに思いを馳せると、空を見上げる時の心持ちが少し変わってきます。

便利な技術に心から感謝しつつも、最後は自分の肌で風を感じ、土の湿り具合を見て判断する。科学の恩恵と、自然への畏敬。その両方のバランスを取りながら、日々の天候に思いを巡らせる。農業は、心身にとっての豊かさがある仕事だなと思います。

空は今日も「定まりなし」。
だからこそ、面白いと思えることも多いのだろうなと思います。

※みかどのびっくりジャンボインゲン、はじめて育てましたが、良い品種です。

今年は春もカリフローレを作っています。毎年、春から初夏にかけての花蕾野菜は、スティックセニョール(茎ブロッコリー)のみを作付けしてきましたが、今年はカリフローレのみにしています。スティックセニョールは、脇芽を次々収穫できる長期収穫型の優秀な...
23/05/2026

今年は春もカリフローレを作っています。

毎年、春から初夏にかけての花蕾野菜は、スティックセニョール(茎ブロッコリー)のみを作付けしてきましたが、今年はカリフローレのみにしています。

スティックセニョールは、脇芽を次々収穫できる長期収穫型の優秀な品種です。ただ、秋冬作に比べると、春作はどうにも収量が伸びないことが以前から気になっていました。

スティックセニョールの本領は、頂花蕾を収穫した後に脇芽から出る側花蕾を、低温下でじっくり長期間採り続けられる点にあります。秋まきで11月〜2月に収穫する作型では、脇芽がゆっくり出続け、長期間の収穫が成立します。

ところが春作では、頂花蕾を採る頃にはすでに気温が上昇局面に入っています。高温によって花蕾の肥大速度も加速し、採り遅れによる開花→株消耗のサイクルまで早まります。

さらに春特有の害虫圧も加わり、どうしても本来の強みを発揮しきれていないと感じています。

もちろん私の栽培技術の問題もあるのでしょうが、それを差し引いても、春作では品種特性を十分活かし切れていない感覚があります。

そこで今年は、スティックセニョールは秋〜冬だけにして、春作は「気温が本格的に上がる前に一発で目方を確保する」方向へ振ることにしました。

で、候補に挙がったのがカリフローレです。

カリフローレは定植から約60日程度(春まき)で収穫に到達し、1株から数十本のスティックがまとまって採れる「一発採り型」です。
小分け調製もしやすいため、青果歩留まりも良くなりそうな気がしています。

今年は定植期に強い寒の戻りがあり、低温感応によるボトニング(早期に小さな花蕾ができて株が止まる現象)を懸念していましたが、特に症状は出ておらず、予定通りの時期に無事収穫できそうです。

少し脱線しますが、カリフローレはカリフラワーの系統です。そしてカリフラワーという野菜は、なかなか数奇な運命を辿っています。

昭和30年代には「洋菜の三白」と呼ばれるほどの人気野菜でしたが、その後、緑黄色野菜ブームとブロッコリーの台頭によって立場が逆転。さらに冷蔵流通の発達で「鮮度が落ちやすい」というブロッコリーの弱点まで克服され、今では流通量はブロッコリーの10分の1前後にまで差がついています。

その仇敵とも言えるブロッコリーが、2026年春についに指定野菜にまで上り詰めました。

凄まじいライジングっぷりです。

新しく「指定野菜」の称号を手にした野菜は、バレイショ以来およそ50年ぶりのことだそうです。

半世紀ぶりの大出世を果たしたブロッコリーのニュースを横目に、当農園は今春、静かにブロッコリー類の作付けを止め、カリフラワーの末裔を植えました。

流行を追いかけない方が長生きできると誰かが言っていた気がしますが、おそらく誰も言っていないでしょう(笑)

というか、カリフローレも流行野菜か(笑)

先日、カエルの見ている世界が気になって調べていたら、とある論文に出会いました。1959年に発表された『What the Frog's Eye Tells the Frog's Brain』(カエルの目が脳に伝えること)という神経科学の論文で...
16/05/2026

先日、カエルの見ている世界が気になって調べていたら、とある論文に出会いました。

1959年に発表された『What the Frog's Eye Tells the Frog's Brain』(カエルの目が脳に伝えること)という神経科学の論文です。
タイトルでもうワクワクです(笑)。

この論文によると、カエルの網膜には「虫検知器」とも呼べる特殊な仕組みがあるようです。ざっくり言うと「虫サイズの、丸っこい、ぎこちなく動くもの」に猛烈に反応する機能。

もう少し詳しく言うと、こんな条件が揃ったときに反応するようです。

サイズ:背景に対して小さい(虫〜ミミズくらい)
形:角張っているより、丸みのある輪郭
動き:背景とは独立して、ランダムにぎこちなく動いている

つまり「立体的なら何でも」ではなくて、サイズと動き方が一番大事なようです。大きな球体をゆっくり転がしても反応しないし、虫サイズでも直線的にスーッと動くと反応が弱くなるそうです。

また、カエルの生息地を撮った大きな写真を前に置いて、ぐわんぐわん動かしてもカエルは無反応。でも、その写真の上に虫サイズの小さな物体だけを磁石でくっつけてチョコチョコ動かすと、バッチリ反応したというような実験結果もあるようです。

そのようなことから、どれだけ好物のエサに囲まれていても、それが動いていなければ、カエルはそれを「エサ」だと認識できず、石や土と同じ「風景の一部」として処理されてしまうらしく、食べようという気持ちすら湧いてこないようです。

最悪の場合、エサに囲まれたまま餓死してしまうだとか。

カエルは、目(網膜)の段階で「動く虫」と「迫りくる危険」以外の情報は、脳に届く前に「背景」としてシュレッダーにかけてしまうような仕組みになっているようです。

目の前に飛び込んでくる情報にいちいち理屈をつけて解釈しようとし、起こったことのすべてに反応し、いつの間にか思考がヘトヘトになっていることの多い私には、この「情報の断捨離」は羨ましさすら感じます(笑)。

1秒間に世界を何コマで捉えるかという「時間解像度」自体は、人間と大きく変わらないようですが、「どの情報を拾い、どの情報を捨てるか」というOSの設定が、決定的に違うようです。

とはいえ、人間も興味のない情報を無意識にスルーしていたり、好きな人の声や自分の噂話などは騒がしい場所でも不思議と聞こえたり、自分の都合で取得する情報を絞れる機能を持っています。

結局、生き物はみな、自分に都合の良い世界を切り取って生きることの方が自然なのかもしれないな〜。カエルを見ながら、そんなことを考えています。

玉石混交な超情報社会、少しはカエルを見習って、脳に送る情報を「ただの背景」として処理する割合を増やしたいものです(笑)

※今年はトウモロコシの畝にアマガエルが多くて、なんだか頼もしいです。「チョコチョコと不規則に動く虫サイズのもの」が彼らの得意分野らしいので、アワノメイガの幼虫もしっかり虫センサーに引っかかってくれているといいなあ、となどと願っています。
というか、食べるのかな?

職業体験で来た中学生たちに植えてもらったネギが、収穫の時期を迎えています。収穫しながら、 「あの時こんなこと話してたな」とか、 授業中の空気とか、 後から送ってくれた感想文なんかを思い出していました。ネギを収穫しているというより、記憶ごと掘...
08/05/2026

職業体験で来た中学生たちに植えてもらったネギが、収穫の時期を迎えています。

収穫しながら、 「あの時こんなこと話してたな」とか、 授業中の空気とか、 後から送ってくれた感想文なんかを思い出していました。

ネギを収穫しているというより、記憶ごと掘り起こしているような感覚があります。

10年くらい前の私は、他人に植え付けや種まきを任せるのが怖かったし、仕事モードではない人に畑を触られることに抵抗がありました。 

畑は自分の聖域みたいな感覚があって、 自分のやり方、自分のリズム、自分の管理の中で完結させたいと思っていたんだと思います。

今思うと、何をそんなに神経質になっていたんだろうという感じです(笑)

色々な人と関わるようになってから、その感覚はかなり変わりました。

自分よりも雑にやっているように見えるのに、結果的にうまくいくことがあったり、 「あれ、そんな感じでも育つんだ」 みたいな発見があったり。
むしろ、自分以外の誰かが畑に触れることで、畑に予想外の変化が起きるのが面白いと思うようになりました。 

そして何より、 他人が関わることで、作物に「新しい背景」が生まれる。

一人で管理したものには、 あまりない種類の、 人の手の気配があります。

私は、完成品そのものよりも、そこに誰の手が通ったのかの方に心が動かされるタイプの人間なのかもしれません。
というか、多くの人もそう?

最近、AIが作る映像や画像なんかもすごく精巧になってきているけれど、 完成度が高ければ高いほど、逆に何も感じなくなる瞬間があります。

AIが作った動物動画に人々が飽きはじめているというような話がでているのも、少し似たことのように思います。

機械で植えられたネギよりも、 中学生が少し不揃いに植えたネギの方に、 妙に気持ちが動く。

こういう、 合理性や効率性とは別のところで動く感情を、 ちゃんと面白がれる感覚は、 人間がプロンプトを書くのに必死になっているような時代だからこそ、これから案外大事になっていくのかもしれないなー、というようなことを考えました。

と言いながら、 今日も私は、いいプロンプトを書くことに精を出しています(笑)

マルチ栽培している春の葉物野菜の空きスペースには、近年、カボチャやサツマイモといったつる性の作物を入れています。写真は、真ん中の一条だけを先に収穫しておいたレタスの畝です。ぽっかりと空いたそのスペースに、カボチャを植え付けています。まだ周囲...
01/05/2026

マルチ栽培している春の葉物野菜の空きスペースには、近年、カボチャやサツマイモといったつる性の作物を入れています。

写真は、真ん中の一条だけを先に収穫しておいたレタスの畝です。

ぽっかりと空いたそのスペースに、カボチャを植え付けています。

まだ周囲には、収穫を待つレタスが活き活きと広がっています。

その中に、次の季節の作物が静かに混ざり込んでいきます。

今年もまた、そんなやりくりをしながら畑に立っています。

春から初夏へ向かうこの時期、葉物野菜の跡地を活かしたこのようなリレー栽培は、我が家ではごく当たり前の手法になっています。

限られた面積の中で、異なる作物を途切れさせることなく繋いでいく。

時間と空間を同時に扱うこの感覚には、何とも言えない面白さがあります。

必ずしも計画通りにいくとは限りませんが、うまくはまったときの静かな高揚感には、やはり特別なものがあります。

背丈も葉の広がりも異なる作物同士を組み合わせることで、光の取り合いを避け、空間の無駄を減らすことができると考えています。

作物がバトンを渡すように、次の作物へと役割を引き継いでいく。
その連なりをどう設計するかは、まるでパズルを組み立てるような作業です。

収穫中のセロリやじゃがいもの畝では、中央を空けてサツマイモを差し込みます。
春キャベツの条間には、果菜類を忍ばせています。

うまく回せているリレーは、このほかにもいくつかありますが、今年もまた、それらを少しずつ手直ししながら導入していく予定です。

作物の入れ替わりの時期は、どうしても慌ただしくなります。

やるべき作業は一気に増え、気がつけば一日があっという間に過ぎていきます。

それでも――
こうして配置を考え、組み合わせを試し、少し先の季節を思い描きながら頭を使っている時間は、たまらなく楽しいものです。

レタスの隙間に植えた小さなカボチャの苗は、やがてつるを伸ばし、畝を覆い、季節そのものを塗り替えていきます。

一つひとつの選択が、数週間後、数ヶ月後の景色を変えていく。

その変化を全身で感じながら畑に立つ時間が、私はとても好きです。

慌ただしさに流されて、こういう時間をじっくり味わうことを忘れないようにしたい——そんなふうに思います。

私は時間に余裕がなくなると、細部を感じ取ろうとする心にすぐ霧がかかってしまうので、切にそう思います。

出荷用の野菜鮮度保持袋をいつも購入しているところで買おうとしたところ、だいたい品切れになっていました。思わず、おおぅ、という声が漏れてしまいました。今回のナフサ騒動は「地球からナフサが消えた」わけではありませんので、問題の本質は、供給ルート...
24/04/2026

出荷用の野菜鮮度保持袋をいつも購入しているところで買おうとしたところ、だいたい品切れになっていました。

思わず、おおぅ、という声が漏れてしまいました。

今回のナフサ騒動は「地球からナフサが消えた」わけではありませんので、問題の本質は、供給ルートの切り替えに伴う「心理的なフリーズ」にあると思っています。

政府からは「十分な在庫がある」というメッセージは出ていたものの、それだけでは将来不安を払拭することができず、「将来のために余分にストックしておこう」と考えるプレイヤーの増加に歯止めがかかりませんでした。

現在、日本は中東産に代わる原料をアメリカなどから運び始めていると言われています。
ただし、船が着くまでに時間がかかり、その間にタイムラグが生まれてしまうとも言われていました。
この「空白期間」を恐れた川上のメーカーが、将来に備えて在庫を厚めに確保し、結果として出荷を絞る。
そこから連鎖的に、全体の流れが滞っていった——そんな構図に見えています。

それぞれのプレイヤーが自己最適戦略をとると、結局全体がダメになってしまう、ゲーム理論でいうところの**「ナッシュ均衡(全員が自分にとって最善を選んだ結果、全体としては最適でなくなる状態)」**という状態は、こういう時にすぐに表に顔を出します。

私たちは、全員が協力すれば最高の結果(パレート最適)が得られると分かっていても、どうしても「自分一人が損をしないための最善策」を選んでしまう習性にあるのでしょう。

メーカー: 「他社が隠すかもしれないから、うちも在庫を確保しよう」

問屋: 「メーカーが出さないなら、今のうちに買い占めておこう」

買い手: 「手に入らなくなると困るから、予備を多めに確保しよう」

一人ひとりは、ただ自分の身を守るために合理的な判断をしているだけです。
そこに悪意はないように思います。
それでも、お互いの状況が見えない不安の中で、「自分だけは損をしない」という選択が積み重なると、
社会全体としては「モノが届かず、価格だけが上がる」という、あまり望ましくない安定状態に落ち着いてしまう。

実需とは関係のない在庫の偏りや供給の滞り。
これはウッドショックや半導体不足でも見られた構造と、よく似ています。

昨日あたり、「備蓄が切れた後の供給ルートも確保した」という意味合いのメッセージが出ていたようです。
もしそれが市場にしっかり伝われば、少しずつ状況も落ち着いていくかもしれません。
「今ある」よりも、「これからも入る」が分かる方が、人は安心できますからね。

複雑すぎるサプライチェーンの末端にいる私は、こうした不条理に翻弄されやすいなと改めて思いました。

それでも、ただ不安に飲み込まれるのではなく、「何が起きているのか」という構造を理解しようとすることで、少しは冷静でいられる気がします。

未来のことは何一つ分かりませんので、どう構えるかの方が重要な気がしています。

人間と資源の関係は、本当に複雑で難しいな〜。

※そら豆、そろそろスタートです。
今年はだいぶよく採れそうです。

嬉しいっす。

※あっ、袋は近所で普通に買いました。

トマトの苗を、予定より多く作りすぎてしまいました。気づけば50株ほど余っています。管理が追いつくかは分かりませんが、処分する気にもなれず、結局すべて植えることにしました。とはいえ、完全に予定外。当然ながら、植える場所は用意していません。そこ...
17/04/2026

トマトの苗を、予定より多く作りすぎてしまいました。気づけば50株ほど余っています。

管理が追いつくかは分かりませんが、処分する気にもなれず、結局すべて植えることにしました。

とはいえ、完全に予定外。
当然ながら、植える場所は用意していません。

そこで目をつけたのが、収穫前で倒伏が始まっている玉ねぎの畝。
隙間をこじ開けるようにして、トマトを一気に定植しました。

正直、セオリーから見れば行儀のいい植え方ではありません。(というか、私は基本的にお行儀よくない) 

でも、この“雑さ”の中に、ひとつのヒントがある気もしています。

見積もりが甘かったという自身の失敗を、
「流れるような輪作」という後付けで、うまく料理してやろうと思います(笑)

こういう“後付けでいい感じに解釈する力”って、
たぶん人間の標準装備なんだと思います。

やってしまったことに対して、
「これはこれでアリなんじゃないか」と理由を探し始めるやつです。

心理学的には認知的不協和を埋めるとか、確証バイアスとか、いろいろ名前はついていますが、
要するに「あとから辻褄を合わせる力」。

これがあるおかげで、失敗も実験に変えられるし、手も止まりにくくなります。
気持ちよく生きていく上で、けっこう大事な能力な気もします。

たぶんこれは、物事にきっちり意味を固定しすぎない「余白」があるからできることでもあります。
最初から正解を決めすぎない。
だからこそ、あとからいくらでも意味を与えられる。

こういう余白から生まれる偶発的な出来事は、やっぱり面白い。

ただ一方で、都合よく解釈しすぎると、単なるミスや無茶まで正当化してしまう危うさもあります。

結果が出る前は、だいたい全部“良い話”にできてしまいますからね。

玉ねぎの収穫が遅れると、トマトの根に影響が出るかもしれませんので、そのあたりは注意しつつ。

さて、どうなるか。

管理も、結果も、どちらも楽しみです。

と、これも良い話にする為の後付け肯定か?と、
自分の心を遠くから眺めています(笑)

現代農業に寄稿しました。5月発売の次号で、うちの輪作パターンやその狙いについての記事を掲載していただいています。当園は大型機械やまとまった広い農地を持っていないので、それらを使わない条件の中で農業をしています。使いたいけれど使えない、と言っ...
04/04/2026

現代農業に寄稿しました。

5月発売の次号で、うちの輪作パターンやその狙いについての記事を掲載していただいています。

当園は大型機械やまとまった広い農地を持っていないので、それらを使わない条件の中で農業をしています。
使いたいけれど使えない、と言った方が正確かもしれません。

そのような条件と少量多品目栽培という特性が合わさり、輪作や混植を行う機会は自然と多くなります。

緑肥も一切使っていないので、なおさらです。

これまでさまざまな組み合わせを試してきましたが、センチュウが出たら次はこの作物、この病気が気になったら次はこの作物、といったように、いつの間にか“定番化”している輪作・混植のサイクルがいくつかあります。

今回は、その中からいくつかの輪作サイクルを取り上げて紹介しています。

過去のブログ記事をもとにした内容も含まれているため、見覚えのある話もあるかもしれませんが、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。

少しでも、誰かの何かの参考になれば嬉しいです。

他の方の輪作の実践例やその狙いも興味深く、もっと多くの実例を知りたいなと思いました。
輪作、飽きのこない面白さがすげーです。

今週、一人の研修生の門出を見送りました。一年間の研修を経た彼女は、農家資格を取得し、これから本格的に自分の農業のスタートです。私はここ数年、自分のような小さな農園での研修や、個人単位の有機農業で食べていくことを目指すのは、あまり勧めない方が...
28/03/2026

今週、一人の研修生の門出を見送りました。

一年間の研修を経た彼女は、農家資格を取得し、これから本格的に自分の農業のスタートです。

私はここ数年、自分のような小さな農園での研修や、個人単位の有機農業で食べていくことを目指すのは、あまり勧めない方がいいのではないかと思うようになっていました。

ですので、去年の研修生を最後に、今後は基本的に受け入れはやめようと考えていました。

それでも彼女の場合は、気持ちの強さと、いくつかの大切なものを手放してでも挑みたいという覚悟、それと人としての明るさに惹かれて、できる範囲で協力したいと思いました。

気持ちを言葉にして伝えることは、人の判断を動かす上で大切なものだと改めて思います。

研修初期の彼女は、理想とする栽培方法がはっきりある人でしたが、現実を見ながら、そのこだわりを柔軟に変化させ続けていました。

現場で調整しながら、無理の生じない範囲で理想を作り変えていく姿がとても印象的でした。
ここ一年で、畑仕事に対する考え方が大分変化したように見えています。

また、もともと販売ネットワークや人との繋がりも数多く持っていたようで、研修やアルバイトをしながらでも、自分の畑で育てたものをきちんとそれなりのお金に変え続けていました。本格的にやる前から信頼できる売り先が確保されているのはとても心強いことです。

これからやろうとしていることは、正直簡単ではないと思いますが、彼女なら、まぁなんとかやっていけるのではないかと思わせてくれる何かを感じています。

地域柄、条件不利地で運営していくことになると思いますので、手強い課題も多かろうと想像しますが、長く続けられるような運営をしていけるとよいなと心より願っています

もし途中で難しいと感じることがあれば、また訪ねてきてください。

そのときは、うちでまた一緒に野菜作りをしましょう。

一年間お疲れさまでした。ありがとうございました。こちらも色々と学ばせてもらいました。

農業生産資材価格指数は足元で125前後(令和7年12月)と、過去と比べても明らかに高い水準で推移している状態が続いています。2026年3月現在、中東情勢の緊迫化による原油価格の不安定さに加え、プラスチック原料であるナフサの供給不安も指摘され...
21/03/2026

農業生産資材価格指数は足元で125前後(令和7年12月)と、過去と比べても明らかに高い水準で推移している状態が続いています。

2026年3月現在、中東情勢の緊迫化による原油価格の不安定さに加え、プラスチック原料であるナフサの供給不安も指摘され続けています。こうした要因が重なり、資材価格は今後も高止まり、あるいは緩やかな上昇圧力が続く可能性があると言われています。

これに対し、1970年代のオイルショックを引き合いに出す人もいますが、今回は少し様子が違うように感じています。

1970年代のオイルショックでは、原油価格の急騰をきっかけに資材価格全体が短期間で押し上げられましたが、その後は数年かけて上昇が落ち着き、少なくとも「上がり続ける状態」からは外れていったように見えます。

一方で現在は、特定の一つの要因というより、エネルギー、肥料原料、為替、物流、さらには脱炭素などの環境規制によるコスト構造の底上げといった複数の要素が重なりながら価格に影響していると思います。
そのため、一部の価格が下がる局面があっても、全体としては以前の水準まで戻りきらず、結果的に長い間、高い水準が維持されているように見えます。

先を考えても、そう簡単に落ちつきそうにありません。

最近は、中東情勢のニュースや先物マーケットの数字を見るだけで陰鬱な気持ちになることも多いですが、どうにもならない全体のことを考えすぎると苦しくなるので、まずは自分の生活の範囲で前向きな材料を探すことも忘れないようにしたいと思っています。

また、歴史を振り返ると、産業の構造が大きく変わるきっかけは、理想やスローガンというよりも、こうしたコストの上昇という“現実的な圧力”であることが多かったように思います。
たとえば最近では、肥料価格の高騰が、化学肥料の使用量を減らし、結果的に地域内の堆肥や未利用資源の価値を再評価する動きにもつながってきました。

日本はプラスチック利用の多い国のひとつですが、原料であるナフサの不安定さが続けば、「使い捨てを前提とした使い方」そのものを見直す流れが出てくることも想像できなくはありません。

もちろん、簡単にすべてを置き換えられるわけではありません。
うちで言えば、マルチや防草シートは、作業効率や除草コストを考えると重要な役割を担っています。

ですので、資材を使うかやめるかという極端な話ではなく、「今期は生分解のマルチを使わない方法でいける体制を整えよう」とか、「もう少し防虫ネットに頼らずBT剤をうまく使えるようにしよう」といった具合に、資材費と自分の労力のバランスを見ながら、資材依存を少しずつ調整していきたいと思っています。

世界情勢や資源価格そのものを個人で動かすことは難しいですが、「どう向き合うか」は選ぶことができます。

自分の仕事に直結する資材コストの高止まりを、ただの負担として受け止めるのではなく、工夫や見直しのきっかけに変えていく。
春夏野菜の管理にせかせかと追われながら、最近は、そんなことばかり考えています。

色々キツイですが、そう簡単には倒れませんよ〜。

※エンドウマメの季節ももう間もなくです。
以前紹介した白菜跡地のものが、特に順調です。

住所

Odawara-shi, Kanagawa

ウェブサイト

アラート

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